トクニの強み: ものづくりの街燕三条

ものづくりのまち燕三条

燕三条地域は新潟県のほぼ中央、越後平野を流れる信濃川流域に位置し、一面田んぼに覆われた水田単作地帯です。また昔から金属産業も盛んで、製造業・問屋・商社など産業の集積地として全国的に知られています。燕三条は燕市・三条市及びその周辺の市町村の総称として使われています。交通面でも恵まれ、上越新幹線で東京駅-燕三条駅間でおよそ2時間。関越自動車道で燕三条インターから東京都心まで300キロに位置しています。

燕市

燕市は金属加工品の一大産地で、機械、自動車部品の製造が非常に盛んです。また古くから「洋食器の街」として全国的に知られ、ナイフ・フォークなどのキッチンツールが盛んに作られてきました。先の東京オリンピック選手村の食堂でも燕三条産のカトラリーが採用されました。ステンレス材を使っての業務用厨房機器や医療機器など金属製品の製造も盛んにおこなわれています。
燕市産業資料館では、江戸時代から現在までの燕の産業の歴史を見学できるとともに、併設された体験工房館で槌目入れやぐい飲み製作、スプーンの酸化発色などものづくり体験ができます。

燕市産業資料館

三条市

三条市も燕市と同様に金属加工の一大産地で、包丁や工具など金物工業が盛んです。ペンチなどの工具や強度が必要な自動車シャフトなどは鍛造加工で作られます。鍛造加工とは、熱した素材を金型で押しつぶして成形します。どろどろに溶かして金属を型に流し込んで成形する鋳造加工も盛んです。鋳造加工のメリットとしては複雑な形状でも比較的容易に加工できることですが、強度的な問題から肉厚になる傾向があり重量も重くなります。また江戸時代から和釘の製造が奨励され、現在でも三条鍛冶道場で和釘づくり、ペーパーナイフ作り、包丁研ぎ体験などが出来ます。

三条鍛冶道場

分水地区

トクニ工業の所在地である分水地区は信濃川の治水の要である大河津分水路があり、可動堰と洗堰の操作によって越後平野を洪水から守っています。東洋のパナマ運河と呼ばれ、2022年には通水100周年を迎えます。長年の悲願であった大川津分水の建設を記念し、地域の人々は分水路沿いに桜を植え始めました。植林された約3000本のソメイヨシノが立派な桜並木となり、美しく着飾った「おいらん」が練り歩く「分水おいらん道中」が開催されます。

燕三条地場産業振興センター

当地場産業振興センターは、時代に対応した新しい展開をめざす地場産業が、人・技術・情報の高度な交流結合をはかり、新商品・新技術の開発の契機となる中核機能と、併せて地域文化の活性化を図るための各種機能を併せ持った多目的施設であり、産業と観光の拠点となっております。（ホームページより）燕三条地域に加工先を求める企業からの問い合わせの窓口になっています。弊社でも産業支援部などを通して加工の相談を受けることがあります。また道の駅として物産館を併設し、洋食器や刃物など特産品の展示・即売を行っています。

燕三条地場産業振興センター

地域ネットワーク

金属産業の一大集積地である燕三条地域には、様々な特徴ある企業が事業を行っています。企画開発・デザイン・材料調達・加工・表面処理などそれぞれの得意分野を活かしながら、商品開発を行っています。弊社も様々な分野の協力工場と、自社の持つ強みを活かしながらものづくりを行っています。ものづくりはちょっとした業種の違いや専用機の加工範囲の違いなどによって、加工の可否が変わってきます。複数の同業者が共存できるゆえんなのでしょうが。ジグソーパズルピースがうまくはまるように、企業間同士の連携が成り立つと、燕三条地域ならではの相乗効果を発揮します。

アウトドア用品の聖地

燕三条にはスノーピーク、ユニフレーム、キャプテンスタッグ、村の鍛冶屋など多くのアウトドア用品メーカーがあります。と同時に、数百にも上るアウトドア用品加工業者もあります。弊社でも数社のアウトドア用品メーカーから製作の依頼をいただいています。もともと金属産業に特化した地域性に加え、鍋・包丁などのキッチンツールの製造も盛んな土地柄です。嗜好性の高いアウトドア用品は、デザイン性・ストーリー性が重視される傾向にあります。機能面はもとより、どうやってアウトドアライフを楽しむのか。余暇の幅が広がっていくに従い、様々なレジャーグッズが生まれてくるでしょう。

新潟の食

新潟の食といえば、米（コシヒカリ、新之助）・酒（日本酒酒蔵数日本一89蔵）・ラーメン（燕は背油醤油ラーメン、三条はカレーラーメン）でしょうか。日本海の海の幸も外すわけにはいきませんし、黒崎茶豆・ブドウ・苺などの野菜・果物もおいしいです。米菓も柿の種、せんべいなど多く生産・消費されています。新潟ワインコーストの地産ワインもおすすめです。地域にねざしたものづくりは工業・食の垣根を越えて、互いに刺激を与えながら独自性を発揮していきます。ネットが普及し、情報収集が容易になった今こそ、聖地巡礼はかけがえのない経験になるでしょう。